【日本海洋掘削株式会社】2015年3月期 決算説明会

【日本海洋掘削株式会社】2015年3月期 決算説明会

只今、ご紹介に預かりました社長の市川でございます。
本日はご多用のところ当社グループの2015年3月期決算説明会に
お集まり頂きまして誠にありがとうございます。

決算説明構成

日本海洋決算説明構成

スライドにあります通り本日の決算説明は4部構成としております。
第1部と第4部を私市川が、そして第2部と第3部を専務の山田が説明致します。

原価価格(月平均)とリグ数・稼働率の推移

日本海洋原価価格(月平均)とリグ数・稼働率の推移

それでは第1部の[マーケットレビュー]についてご説明致します。
この図は上から順に世界全体の海洋掘削リグ、以下リグと申しますけれども
そのリグの総数、当社保有リグの稼動率、世界全体のリグの稼動率、及びWTI原油価格の推移を過去2年間に渡ってプロットしております。
原油価格はこの1年間で見ますと前半は1バレル、90ドルから100ドルを若干上回るレベルで推移致しましたが
昨年6月20日の1バレル、107ドル95セントをピークに弱含みに転じ
11月27日のOPEC総会の減算見送り決定をきっかけに急落し本年3月17日には43ドル39セントの最安値をつけました。
その後、持ち直して現在は60ドル前後で推移している状況です。
この1年間で41基のリグが退役する一方、62基の新たなリグが市場に投入されました為、
世界のリグ総数は928基から949基へ21基、増加致しました。
油化下落の影響を受け稼動リグ数が減少する一方、新造リグが完成して市場に投入されました為
世界全体のリグの年間平均稼動率は前年比、3.7ポイント減の81.3%となりました。
ここには示しておりませんが、こうした稼働率の低下に伴いリグフリート、デイレートも難化傾向でございます。
このようなマーケット環境の中で当社が保有するリグと
「HAKURYU-12」の合計、7基の年間平均稼働率は「HAKURYU-5」と「SAGADRIL-1」の2基が整備工事を実施し不稼動となった為、
前年比、23.4ポイント減の73.6%となりました。

主要海域別リグ数・稼働概況

日本海洋主要海域別リグ数・稼働概況

リグの需給や稼働率は世界の海域によって、かなりの違いが見られます。
この図は本年3月末の主要海域別のリグ稼動状況を示しております。
それぞれのボックスの上段はリグの総数を、中段は稼動リグ数を、そして下段はリグの稼動率を示しております。
また()内は1年前との比較を、赤で囲った海域は当社グループのリグが操業している海域を示しております。
リグの数は世界全体で21基ずつ増加致しました。
具体的には南米、インド洋、東南アジアでは減少致しましたが
極東、中東、北西ヨーロッパ、メキシコ側メキシコ湾、米国側メキシコ湾、及び西アフリカでは増加致しました。
また稼動リグ数はほぼ全ての海域で減少し、世界全体では63基減少しております。
特に南米で18基、米国側メキシコ湾で16基、減少致しました。
その結果リグの稼働率は全ての海域で減少し
3月末の時点での比較で世界全体では76.2%と、1年前に比べ8.5ポイントの減少となりました。

原油価格(月平均)とタイプ別稼働リグ数の推移

日本海洋原油価格(月平均)とタイプ別稼働リグ数の推移

次にタイプ別稼動リグの数と稼動率の過去1年間の推移についてご説明致します。
グラフの茶色の線はWTIスポット価格の月平均の推移を示しております。
青色はジャッキアップを、緑色はセミサブを、そしてピンクはドリルシップを示しており、それぞれ下の表の色にも対応しております。
原油価格の下落と共に稼動リグ数が減少していることが見られます。
まずジャッキアップにつきましては
リグの総数はこの1年間で516基から544基へ28基、増加しておりますが稼動リグは逆に457基から424基へ33基、減少しております。
その結果稼動率は88.6%から77.9%へ10.6ポイント、減少致しました。
セミサブにつきましては総数は218基から197基へ21基、減少し稼動リグも185基から163基へ22期、減少しております。
その結果稼働率は84.9%から82.7%へ2.1ポイント、減少致しました。
ドリルシップにつきましてはこの1年間でリグの総数は
101基から117基へ16基増加し、稼動リグも96基から98基へ2基、増加しております。
その結果稼働率は95%から83.8%へ11.3ポイント、減少致しました。

リグ数推移と新造・現役リグ数

日本海洋リグ数推移と新造・現役リグ数

このスライドでは新造リグと退役リグの推移を過去2年に渡ってプロットしております。
オレンジ色で囲んだ過去1年間で新造リグは62基増えており、41基のリグが退役致しました。
特に12月以降、リグの退役が顕著となっていることがご覧頂けると思います。
過去1年で退役したリグの平均船齢は34歳となっております。

原油価格(年平均)と建造年別リグ数の推移

日本海洋原油価格(年平均)と建造年別リグ数の推移

この図は原油価格と現存するリグの建造数の推移をプロットしたグラフでございます。
原油価格の変動に伴ってリグの建造数も変動するという明らかな相関関係が見られます。
右の山の灰色の部分は現在建造中ないしは発注済みのリグで本年3月末現在、世界で214基ございます。
左の山の部分は主に1970年代から80年代にかけて建造された老朽化が進んでいるリグで、
このような古いタイプのリグはその寿命を迎えつつあり、先ほどお見せしましたように次第にマーケットから退出するものと思われます。
ちなみに左の灰色の網掛け部分のリグは過去1年で退役したリグの平均船齢である34歳以上のリグを示しております。
最近リグの需給が緩んでおりますが、今後も古いリグの退役が続くことを考えますと
長期的には再びリグが不足する状況へ転じ、特に高性能のリグに対する需要が高まるものと思われます。
以上でマーケットレビューの説明を終わります。
引き続きまして[2015年3月期の決算概要]について専務の山田が説明致します。

当社グループ運用リグの操業状況(2015年3月31日現在)

当社グループ運用リグの操業状況(2015年3月31日現在)

引き続きまして、第2部の[2015年3月期決算概要]についてご説明致します。
これは本年3月31日現在の当社グループ運用リグの操業状況を示した図でございます。
ジャッキアップ型リグにつきましては
「HAKURYU-10」と「HAKURYU-11」はインドネシア海域で「SAGADRIL-1」はアラブ首長国連邦沖で操業致しました。
「SAGADRIL-2」はアラブ首長国連邦の造船所において次期掘削工事に向けた整備工事を実施致しました。
また2月9日に完成した新リグ「HAKURYU-12」は、最初の操業海域である南米に向けて移動中でございました。
セミサブ型の「NAGA 1」と「HAKURYU-5」はマレーシア海域で操業致しました。
またドリルシップの「ちきゅう」はインド東海岸沖で
インド政府のメタンハイドレートボーリング調査の為の掘削作業を実施致しました。
尚、新リグ「HAKURYU-14」と「HAKURYU-15」はシンガポールの造船所で建造中でございます。
この両リグのリグ名はいずれも仮称でございます。

リグフリート操業実績

日本海洋リグフリート操業実績

次に各リグの操業実績についてご説明致します。
「HAKURYU-5」はシンガポールの造船所における整備工事と
マレーシアでの準備作業を終えた後、11月下旬からマレーシア沖でPCSB社の掘削工事に従事致しました。
「SAGADRIL-1」はアラブ首長国連邦の造船所における整備工事を実施後、12月中旬から同連邦沖でBunduq社の掘削工事に従事致しました。
「SAGADRIL-2」は1月上旬までペルシャ湾でサウスパースガス田の開発工事に従事し、
その後アラブ首長国連邦の造船所において整備工事を実施致しました。
「HAKURYU-10」と「HAKURYU-11」はそれぞれインドネシア沖の掘削工事に従事致しました。
「HAKURYU-12」は2月9日完成と同時にリースによる運用を開始し、3月17日南米に向け移動を開始致しました。
「NAGA 1」は8月上旬までマレーシア沖、その後はミャンマー沖で操業し10月下旬から再びマレーシア沖での掘削工事に従事致しました。
「ちきゅう」は4月上旬から5月上旬まで日本原燃株式会社の海上ボーリング調査の為の掘削工事に従事し
7月に沖縄トラフにおいて科学掘削を実施致しました。
2月上旬にインドに向けて移動を開始し3月上旬からインド東海岸沖で
ONGC社が行うメタンハイドレートボーリング調査の為の掘削を開始致しました。
以上の結果当社グループが保有するリグ6基と新たにリグフリートに加わりました「HAKURYU-12」の
合計7基の稼働率は73.6%収入期間の比率は72.9%となりました。
以上の結果、売上高は前期比18.8%減の325億8千4百万円
営業利益は91.5%減の8億4千2百万円、経常利益は73.5%減の32億6千万円
当期純利益は69%減の18億9千2百万円となりました。
また、1株当たりの当期純利益は234円8銭減の105円15銭となりました。

当期純利益の減少要因分析(前期比)

日本海洋当期純利益の減少要因分析(前期比)

次に当期純利益減少の要因についてご説明致します。
売上高は75億4千9百万円の減少となりました。
その内訳はデイレート変動による減収が1億3千万円、作業日数減少による減収が65億5千3百万円
運用管理受託事業これは「ちきゅう」の科学掘削でございますがこれの減収が45億9千万円
為替変動その他の増収が37億2千4百万円でございました。
売上原価及び一般管理費は合わせて15億1千9百万円増加致しました。
持分法投資利益は14億5千万円減少致しました。
その他の営業外収支及び特別損益は24億百万円増加致しました。
法人税等は39億3百万円減少致しました。
以上の結果、当期純利益は42億1千3百万円減の18億9千2百万円となりました。

業績予想比

日本海洋業績予想比

2月5日に通期業績予想について減収増益の修正を発表しておりますが
通期の実績は売上高は予想を下回りましたものの利益は予想を上回る結果となりました。
その要因についてご説明致します。
売上高は予想費15億9千万円の減少、率にして4.7%の減少となりました。
これは主に「ちきゅう」の科学掘削が減少したことと「ちきゅう」のインドONGC社の商業掘削関連で
当社が手配する第三者提供サービスの売上が減少したことによるものでございます。
売上原価及び一般管理費は業績予想に比べ減少致しました。
これは主に「ちきゅう」の科学掘削の減少と当社が手配する第三者提供サービスの売上減少に伴い売上原価が減少したこと
及び「HAKURYU-5」の整備アップグレード工事に係る修繕費、物品費等、売上原価が減少したことによるものでございます。
以上の結果、営業利益は5億8千百万円増の8億4千2百万円となりました。
経常利益は営業利益の改善に加え円安の進行により
外貨建債権に為替差益が発生したことにより7億4千5百万円増の32億6千万円となりました。
当期純利益は税金費用を調整した結果9百万円減の18億9千2百万円となりました。

連結貸借対照表(前期末比)

日本海洋連結貸借対照表(前期末比)

次に貸借対照表についてご説明致します。
資産合計は前期末に比べ114億6千6百万円増の1,159億2百万円となりました。
これは主に「HAKURYU-5」及び「SAGADRIL-1」に関わる整備工事等により有形固定資産が増加したことによるものでございます。
尚、GDI社の株式を売却したことにより投資有価証券が減少しその分現預金及び有価証券が増加しております。
負債合計は前期末に比べ80億3千7百万円増の536億6千3百万円となりました。
これは主に「HAKURYU-5」の整備工事を目的とした私募債の発行及び借入により有利子負債が増加したことによるものでございます。
純資産は前期末に比べ34億2千8百万円増の、622億3千8百万円となりました。
これは主に当期純利益、為替換算調整によるものでございます。
以上の結果事故資本比率は前期末に比べ2.6ポイント減の53.1%となりました。

リグフリート操作計画

日本海洋リグフリート操作計画

引き続きまして第3部の[2016年3月期通期業績予想]についてご説明致します。
まず、今期の操業計画についてご説明致します。
「HAKURYU-5」は7月中旬までマレーシアでPCSB社の掘削工事を予定しております。
その後につきましては東南アジアや中南米を中心にマーケティング中でございます。
「SAGADRIL-1」は10月中旬までアラブ首長国連邦でBunduq社の掘削工事を予定しております。
「SAGADRIL-2」は9月上旬までアラブ首長国連邦でDana Gas社の掘削工事を予定しております。
この「SAGADRIL-1」と「SAGADRIL-2」の2基につきましては現在の稼動海域が
両リグのスペック的に相応しい場所でございますのでこの海域でのマーケティングを進めております。
「HAKURYU-10」は期を通してインドネシアでTotal社の掘削工事に従事する予定でございます。
「HAKURYU-11」は6月中旬までインドネシアでPremier社の掘削工事を予定しております。
その後につきましては中東や中南米においてマーケティング中でございます。
「HAKURYU-12」は5月上旬から8月中旬まで南米スリナムでTeikoku Oil社の掘削工事を
その後10月上旬まで同じく南米のガイアナでのCGX社の掘削工事を予定しております。
その後につきましては中東や中南米においてマーケティング中でございます。
「NAGA 1」は2018年までマレーシアのPCSB社との掘削契約が続きます。
「ちきゅう」は8月中旬までインドでONGC社の商業掘削工事を予定しております。
その後日本に戻り定期検査、科学掘削を予定しております。
以上の結果、当社グループが保有するリグ6基と新たにリグフリートに加わりました
「HAKURYU-12」の合計7基の稼働率は84.2%の収入期間の比率は82.3%となる見込みでございます。

通期連結業績予想要約

日本海洋通期 連結業績予想要約

以上を踏まえました業績予想につきましては売上高は前期比、24.3%増の405億7百万円を予想しております。
営業利益は前期比、6.8%増の8億9千9百万円、経常利益は86.6%減の4億3千6百万円
当期純利益は91%減の1億6千9百万円をそれぞれ予想しております。
尚、為替レートは1ドル115円を想定しております。
それでは当期純利益減少の要因について次のスライドで説明致します。

当期純利益の減少要因分析(前期比)

日本海洋当期純利益の減少要因分析(前期比)

売上高は前期比、79億2千2百万円増収となる見込みでございます。
具体的にはデイレート変動要因により52億5千百万円の減少を予想しております。
これは現在受注活動中の案件につきまして、昨今の油化急落によるマーケット環境を考慮し
想定デイレートを従来の5%上回る掛け目を適用し、より保守的に見積もったことによるものでございます。
一方作業日数増加により53億7千2百万円の増収を見込んでおります。
「HAKURYU-12」の作業開始に伴う増収と前期は「HAKURYU-5」と「SAGADRIL-1」の2基が造船所工事を行った為
作業日数が大きく減少致しましたが、今期は大きな造船所工事が予定されていないことによるものでございます。
運用管理受託事業、すなわち「ちきゅう」の科学掘削は26億3千百万円の増収を
また為替変動その他につきましては、合計で51億7千万円の増収をそれぞれ見込んでおります。
売上原価と一般管理費は合わせて78億6千5百万円の増加を見込んでおります。
主な増加要因は「HAKURYU-12」の操業開始に伴う原価増と
「ちきゅう」の科学掘削及び商業掘削の売上高増加に伴う原価増でございます。
カタールにおける合弁事業の解消に伴い持分法投資利益は13億4千3百万円減少を
その他の営業外損益と特別損益を合わせて20億8千6百万円の減少をそれぞれ見込んでおります。
前期は円安の影響により営業外収益に為替差益を経常しましたが、今期は予算に織り込んでいない為でございます。
利益の減少に伴い法人税等の減少が見込まれ親会社株式に帰属する
当期純利益は1億6千9百万円と前期比、91%の減少にあるものと予想しております。
このような事業環境のもと当社においては全社的に売上原価や一般管理費の経費削減策を講じ
これを社内に周知徹底させると共に外部からの資機材の調達につきましても
仕入れ価格の引き下げなどの交渉を重ね、一層のコスト削減に取り組んでおるところでございます。

リグフリート中期操業展開

日本海洋リグフリート中期操業展開

最後に今後3年間のリグフリート中期操業展開についてご説明致します。
昨年からの油化の下落の影響により石油開発会社の探鉱開発活動が鈍化しており
リグマーケットも弱含みとなっておりますが今期後半以降、受注活動のリグについての契約確保に全力を挙げて参ります。
第4章で詳しくご説明致しますがこのような市況の中でも開発活動が活発なところがございます。
具体的にはサウジアラビアとメキシコで両国の国営石油会社ととも複数のリグを
パッケージで調達することを計画しており当社の複数のリグを提供していきたいと考えております。
現在長期掘削契約の確保を目指し具体的な受注活動を展開しているところでございます。
また油化も持ち直しの兆しが表れておりそれに伴なって石油開発会社の開発活動も活発さを取り戻していくものと考えております。
リースによる調達を決定した「HAKURYU-14」と「HAKURYU-15」の
両リグにつきましても完成の頃には需要環境も大きく改善してくるものと期待しております。
引き続きまして[長期経営ビジョンと成長戦略]について社長の市川がご説明致します。

長期経営ビジョン(経営の基本精神)

日本海洋長期経営ビジョン(経営の基本精神)

それではこれから第4部の[長期経営ビジョンと成長戦略]についてご説明致します。
昨年5月の決算説明会におきまして当社の10年の長期経営ビジョンをご紹介し
その中で当社が掲げる3つの成長戦略がそれぞれどのように展開されていくのかをご説明致しました。
第1部でご説明致しましたように、この1年で当社を取り巻く事業環境が悪化しております。
この状況はここ暫くは続くものと思われますがいずれ好転し海洋掘削市場は中長期的には右肩上がりに成長していくと考えております。
10年の長期経営ビジョンとはこのような短期的な経営環境の変化に左右されることなく長期的な業界動向を見越した投資計画や人材計画
技術開発に一貫して取り組んでいこうという企業経営上のガイドラインとして私の思いをとりまとめたものでございます。
長期経営ビジョンの作成にあたりましては和して拓くという当社創業時の企業精神に立ち返り
役員、従業員全員が日本の文化と伝統に基づく掘削コントラクタースピリットを共有することが最も重要であると考えております。
役員、従業員全員のベクトルを合わせることにより、この長期経営ビジョンを実現する力が生まれ
また社員のモチベーションやキャリア形成に対する期待が高まるものと考えております。
そして当社を「夢」と「希望」と「誇り」が持てる会社にしていきたいと考えております。

長期経営ビジョン(事業環境)

日本海洋長期経営ビジョン(事業環境)

まず長期経営ビジョンの前提となる今後の事業環境についてご説明致します。
1つ目は海洋石油の重要性でございます。
海洋における石油生産の比率は2020年までに全生産量の3分の1にまで上昇すると予測されております。
2つ目は海洋掘削活動に大きな影響を与える原油価格の動向でございます。
国際エネルギー機関IEAは本年2月に発表した報告[Medium Term Oil Market Report2015]において
油化は本年半ばから反転しその後右肩上がりに上昇するとの視方を示し
また米国エネルギー情報局EIAも本年4月に発表した報告[Annual Energy Outlook2015]において
IEAと同様に油化は本年半ばから反転するがその度合いはIEAの予想より高い視方を示しております。
3つ目は大水深海域の開発に対する投資でございます。
国際的な調査会社であるDouglss Weetmood社は最近発表した調査レポートにおいて
2015年から2020年までの5年間の大水深開発投資額は
その前の5年間に比べ69%増加し2100億ドル、約25兆円に達するとの見通しを発表しております。
4つ目はリグの需給の動向でございます。
第1部でも触れましたように中長期的には老朽化が進んでいるリグが今後次々と市場から退出する為、
需給は再び逼迫することが予想され現在健造中のリグ214基だけでは足りず、更に200基以上のリグが必要になると言われております。
5つ目は掘削構成数が増加することでございます。
近年開発される石油、天然ガスの井戸が小型化し井戸1本あたりの発見埋蔵量並びに生産量が減少しております。
従って同じ量の資源を確保する為には
より多くの井戸を掘る必要がありそれが将来の掘削事業の増加となって表れてくるものと考えております。

成長する海洋掘削市場

日本海洋成長する海洋掘削市場

次に海洋掘削市場の成長についてまとめた調査期間の視方をご紹介致します。
これも世界的な市場調査会社であるMARKETS AND MARKETS社が本年7月に発行した調査レポート
[OFFSHORE DRILLING RIGS MARKET:GLOBAL FORECAST TO 2019]の情報ですが
売上ベースで5年後の2019年には市場規模が約1000億ドル、約12兆円になると予測しています。
これは基準となる2014年の市場規模と比較した場合
年平均成長率、いわゆるCAGR[Compound Annual Growth Rate]ベースで1年当たり9.27%の成長率と計算されています。
リグタイプ別の将来の市場規模と年平均成長率はここに記載したとおりですが
市場規模ではドリルシップ市場が一番大きく成長率では中水深セミサブ市場が一番高いという見通しになっております。
資料の最後にリグタイプ別会期別市場規模の予想データを添付しましたのでご参照頂きたいと存じます。

原油価格とプロジェクトの採算性

日本海洋原油価格とプロジェクトの採算性

この表は油化と石油天然ガスの開発プロジェクトの実行可能性との関係を示しております。
それぞれのプロジェクトごとに生産コストが異なります為
油化が下がってくると採算的に実行できなくなるプロジェクトが出て参ります。
例えば油化が1バレル当たり100ドル程度の水準であれば北極圏原油開発プロジェクトは実行不可能となりますが
その他の開発プロジェクトは実行可能であることが示されております。
また油化が下がり現在の1バレル当たり50ドル程度の水準となっても
在来型の開発プロジェクトのかなりの部分は実行可能だということが示されております。
この資料はDouglas Westwood社が2012年に発表したデータに基づいて当社が作成したもので
データはやや古いですが年々掘削技術が進歩し掘削コストが低減していることを考慮致しますと依然として重要な考え方だと思われます。

長期経営ビジョン(数値目標)

日本海洋長期経営ビジョン(数値目標)

只今、ご説明しましたように
短期的には海洋掘削業界を取り巻く事業環境は厳しい状況が続くと思われますが
中長期的には再び油化が上昇に転じ石油開発活動が活発化しリグに対する需要は強含みに推移していくものと考えております。
こうした展望を踏まえ当社と致しましては昨年5月に打ち出した10年の長期経営ビジョンは変更せず
引き続き2023年度の連結売上高1000億円、経常利益250億円の達成を目指して参ります。
そしてそれを達成する為にリグフリートの増強、大水深及び新規マーケットへの参入
そしてメタンハイドレート開発等、応用分野の拡大という3つの成長戦略を積極的に推進して参ります。

大水深・新規マーケットへの積極的算入戦略

日本海洋大水深・新規マーケットへの積極的算入戦略

まず始めに大水深、新規マーケットへの積極的参入戦略をご説明致します。
従来よりホップ・ステップと段階的に大水深新規マーケットへの参入戦略を進めて参りましたが
いよいよ大水深用フローターの調達を具体化するジャンプの段階に入ったと考えております。
具体的には参入国の国営企業など、有力な石油開発会社から
長期の大水深掘削調査を確保しそれを担保に大水深用フローターの調達したいと考えております。
次に大水深掘削のノウハウを更に発展させ最近フロンティアとして注目を浴びている
サハリン、北極海、アラスカ等の高緯度操業海域における掘削を推進して参ります。
その為の高緯度海域用リグの調達も検討して参ります。
更に水深4000メートル海底下7,000メートルから8,000メートルを掘削し
マントル層に到達することを目指す高難度の科学掘削についても具体的な技術検討を開始しております。

メタンハイドレート開発等応用分野の拡大戦略

日本海洋メタンハイドレート開発等応用分野の拡大戦略

次の成長戦略はメタンハイドレート開発等応用分野の拡大戦略でございますが
ここではメタンハイドレート開発についてご説明致します。
一昨年の12月に見直された経済産業省の「海洋エネルギー鉱物資源開発計画」によりますと
砂層型メタンハイドレートについては一昨年の3月に実施された世界初の「海洋産出試験」の結果をふまえ
平成28年から30年にかけて中長期の「海洋産出試験」が予定されております。
そして平成30年代後半に民間が主導する商業化プロジェクトが開始されるよう技術開発を進めることが予定されております。
メタンハイドレートの商業生産の為には、まだ乗り越えるべき壁がたくさんございますが
当社は日本で唯一の海洋掘削コントラクターとして、これからも我が国のエネルギー政策に積極的に寄与して参りたいと考えております。

リグフリートの増強戦略

日本海洋リグフリートの増強戦略

次にリグフリートの増強戦略につきまして4点を具体的戦略としてご説明致します。
1番目は経年リグ対策でございます。
対象となるリグはセミサブ型の「HAKURYU-5」と「NAGA 1」ジャッキアップ型の「SAGADRIL-1」と「SAGADRIL-2」でございます。
「HAKURYU-5」と「NAGA 1」につきましては
それぞれ大規模アップグレード工事を完了し寿命も15年程度、延びるなど対応済みでございます。
「SAGADRIL-1」と「SAGADRIL-2」の後継リグ対策と致しましては
後ほどご説明致します、3基の新たなジャッキアップの調達を予定しております。
2番目に当社が直接コントロールできるリグ、言い換えれば当社の売上高や営業利益に直接寄与する運用リグを増やし
企業規模を拡大させていきたいと考えております。
3番目にバランスの取れたリグポートフォリオの構築でございます。
当社は大水深マーケットへの積極的参入戦略を掲げておりますが大水深用リグに過度に投資を傾斜するのではなく
ジャッキアップリグフリートを事業の土台として確固たる操業基盤を築き
その上でセミサブやドリルシップなどフローターを運用するというバランスの取れたリグポートフォリオの構築を目指します。
4番目は多様なリグを運用することによる競争力の強化でございます。
顧客の掘削サービスに対するニーズは近年ますます多様化し高度化しております。
今後高緯度、高難度海域でも操業可能な大型のジャッキアップリグ中水深、大水深用のフローターなど、
様々なリグを運用することによって競争力の強化を図り顧客の多様なニーズへ対応して参りたいと考えております。
以上のリグフリート増強戦略を推進することにより企業規模の一段の拡大と競争力の強化を図って参りますが
運用リグの数を増やすことにより例えば1基が不稼動になったとしても当社の業績に与えるマイナスの影響が少なくなり
経営の安定性が強化されるという重要な効果が得られます。
新たなリグに関しましては10年間で収益性の高い大水深用フローターを2ないし3基
ジャッキアップを3ないし4基程度、導入していきたいと考えております。

リグフリート増強イメージ

日本海洋リグフリート増強イメージ

次に10年の長期経営ビジョンを具体的に進めていく為の
3年間のリグフリート増強案とその具体的な侵食状況についてご説明致します。
当初の3年間は当社の経営を安定させ10年の長期経営ビジョンを実現する為の土台作りの期間と捉え
この3年間で新たなジャッキアップリグを3基、調達すると共に少なくてもフローター1基の健造に取り掛かりたいと考えております。
新たなジャッキアップ3基については既に手配済みでございまして具体的には東銀リース社が
シンガーポールの造船所で建造するリグが完成した後リース方式によりその運用を開始したいと考えております。
3基のうち「HAKURYU-12」は既に完成しリース方式による運用を開始したところでございます。

新造リグ「HAKURYU-12」南米で操業開始

日本海洋新造リグ「HAKURYU-12」南米で操業開始

当社と東銀リ-ス社は本年1月23日シンガポールPPL造船所において
東銀リース社が発注したプレミアムクラスジャッキアップの命名式を行い本リグを「HAKURYU-12」と命名致しました。
「HAKURYU-12」を乗せた巨大な運搬船は本年3月17日に移動を開始しインド洋を経由
南アフリカの喜望峰をまわり大西洋を横断し約40日を掛けて最初の操業海域である南米スリナム沖に到着致しました。
そして5月9日からTeikoku Oil Suriname社の掘削工事に従事しております。

リース方式による新ジャッキアップリグ2基の増強

日本海洋リース方式による新ジャッキアップリグ2基の増強

当社は「HAKURYU-12」に引き続き東銀リース社が健造発注社となるジャッキアップリグ
「HAKURYU-14」と「HAKURYU-15」の2基についてリースによる調達を決定致しました。
「HAKURYU-14」のデザインは「HAKURYU-12」と同じ[PPL Pacific Class 400]でございますが
最大掘削深度は1万メートルに達する等「HAKURYU-12」を更に発展させたリグでございます。
「HAKURYU-15」は[keppel KFELS Super B Class]というデザインの大型のジャッキアップリグで
こちらも最大稼動水深122メートル、最大掘削深度を約1万メートル居住区収容人数を150名という使用でございます。
尚、数字の「13」は当社のリグ名には使用しないことと致しました。
また現在のところこの2基のリグ名は仮の名前、仮称でありリグ完成時に行われる命名式を経て正式なリグ名となる予定でございます。

新たなマーケット-サウジアラビアへの展開

日本海洋新たなマーケット-サウジアラビアへの展開

長期経営ビジョンを具体的に進めていく上で市場開拓は最重要な課題でございます。
昨年9月、当社にとって新たな使用となるサウジアラビアにおける事業展開の主体として
現地法人[JAPAN DRILLING SAUDI ARABIA COMPANY]をアルコバールに設立致しました。
大産油国であるサウジアラビアは世界屈指のジャッキアップ市場でもあり
全世界で稼動しているジャッキアップの約1割にあたる46基が稼動しております。
この市場へ複数のリグを3年から5年の長期間の契約で投入したいと考えており、現在マーケティングを展開しているところでございます。

メキシコへの展開

日本海洋メキシコへの展開

もうひとつの有望な市場としてメキシコ側メキシコ湾への事業展開も視野に入れております。
メキシコ側メキシコ湾は世界最大の浅水深マーケットでございます。
全世界で稼動しているジャッキアップの約12%にあたる49基が稼動しております。
またメキシコ側メキシコ湾は有望な大水深マーケットでもあります。
未だ手付かずの鉱区がたくさんございます。
またメキシコは2013年に憲法改正し鉱区を世界に開放することを決定しております。
今後当社が5年程度の長期計画を獲得し長期にわたって参入する余地は十分あると考えております。
長年に渡り蓄積してきた豊富なジャッキアップリグの操業ノウハウを最大限に生かし
サウジアラビアやメキシコのような大参入国において長期安定的な操業基盤を
築くことができれば当社の経営基盤と経営の安定性が一段と強化され
そこから生み出されるキャッシュフローは長期経営ビジョンにおいて
計画しているリクリート増強計画実現の為の大きな資金的な支えになるものと考えております。

日本海洋JDC

日本海洋JDC

当社は日本で唯一の海洋掘削専門会社でございます。
海洋掘削事業は世界のエネルギー供給に欠くことのできないビジネスでありますますその重要性が増しております。
日本周辺海域の資源開発にも不可欠な事業でございます。
是非皆様と共に力を合わせこの日本海洋掘削の明日を切り開いて参りたいと考えております。
現在の市況は厳しい状況にございますが海洋掘削業界は中長期的には成長産業でございます。
当社は引き続き10年の長期経営ビジョン達成を目指して参ります。
リグフリートを増強し産油国との長期安定的操業基盤を強化する為、長期掘削計画の確保に全力を挙げて参ります。
引き続き長期的な視点で暖かいご支援を賜りますようお願い申し上げます。
御静聴ありがとうございました。

日本海洋掘削株式会社のIRはこちら
http://www.net-presentations.com/1606/20150512/

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